[コメント] 暗黒街(1927/米)
小津『その夜の妻』もこの映画の血を継いでいる。「夜」の艶が映画の生命だ。フォン・スタンバーグの演出はいささか技巧に走りすぎて少々厭らしくもあるのだが、いくつかの問答無用に傑出した画面の前にはひざまずくしかない。光つまりは影の操作。さらには空気の操作(羽根の舞うさま!)。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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ねこ好きとしては「ねこ」の映画として是非とも記憶しておきたい作品だが、同時に銃撃シーン好きでもある私にとっては最高の銃撃映画でもある。ジョージ・バンクロフトが花屋ギャングのフレッド・コーラーを殺害するシーンも実によいが(花屋て!)、やはり終盤の死闘が凄まじい。それは端的には「硝煙」の凄まじさだ。どうやら映画は「音」を手に入れたことで硝煙の視覚性を軽視するようになったようだと、この無声映画は教えてくれる(さらに、映画のカラー化が画面に黒白のコントラストをもたらすという硝煙の機能を軽視することに拍車をかけた、と続けることもできるでしょう)。
ところで、私の目に狂いがなければ、ケヴィン・スペイシーはかなりの程度でこのクライヴ・ブルックから演技をいただいていますね。
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