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[コメント] レザボア・ドッグス(1992/米)

シリアスなコント空間というヒップなファンタスティック観が批評を遠ざけるGOODニュアンスムービー
junojuna

 タランティーノの天才ぶりが抑制的に披露されており、パッケージ感覚にも優れた来るべきして来た同時代ムービーの決定版である。映画をマスのものあるいはマーケティングのものから解放したタランティーノの功績を何よりも賞賛したい出来栄えである。劇中、ティム・ロスの友人である黒人のヒッピーが言っている「小話の醍醐味は細部に宿る」という言葉そのものがタランティーノ映画の魅力を言い表しており、またタランティーノ映画のドラマツルギーなのだいうことに合点がいく。映画の勘が利くという点ではタランティーノに敵うものはいないだろう。特に90年代は映画価値の尺度を大きく見直さなければならない転換期にあり、80’sをヴィデオという複製メディアで名作・迷作を貪るように消化してきたタランティーノによる本作は、まさに生まれるべくして生まれた傑作なのである。ひとつのストリームを開拓し、映画の神様の寵愛を受けた男の運命的な作品である。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] shiono 緑雨[*]

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