[コメント] 車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964/日)
一本気で喧嘩っ早い主人公といい、貫禄ゼロのすっとぼけた親分といい、登場キャラクターがマンガそのもので、これは脚本にクレジットされている鈴木則文の嗜好と思われるが、このクセのある人物たちを見ているだけでも充分楽しい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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いわゆる人情劇としても非常に良く出来ているが、画面の隅々にまで美学が行き届いたような鮮烈なショットの数々には、何か神聖なものに触れているような感動さえ覚える。これは他の東映の監督・・・たとえば深作欣二や中島貞夫の作品を観ても絶対に感じられないものであり、いかに加藤泰という作家が孤高の存在であったかがよく理解できる。
三度にわたって繰り返される、決して幸福な形では成就しない結婚式という儀式。中でも三度目の結婚式の幻想的な美しさといったら!この桜町弘子の描き方にはまいってしまう。それに加えて、藤純子の何とも可愛らしい女性像!加藤泰の女優への演出は完璧だ!
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