[コメント] さびしんぼう(1985/日)
泣いた。この切なさを何に例えることができるでしょう。出演している役者はみんな嫌いなのに、この映画は大好きです。
なぜかなあ、と考える。さほど珍しい設定でも、よっぽど驚くべき表現がされているわけでもないし、特に好きな俳優が出演しているわけでもない。
にもかかわらず、なんでこれほど泣けるのか。
要するに自分の理想とする母親像があって、それが(特に男の子は)脳裏から離れない、ということなんでしょう。私自身、母親に捨てられた身なので、感覚として乖離しているのですが、常識にかなった感覚から、この「泣ける」という感覚が自分にもあったことが嬉しかった。
それともうひとつ、大林監督の尾道作品はいずれも秀逸。それと少女趣味に関しても(個人的には別として)とにかく彼の作品に出てくる若い女優はいずれも素敵に演じている。映画の中で恋してる、とうことが画面から伝わってくる。これも世代を共にする者として感動できる要素ではないか。
大林作品は、映像手法で奇怪な表現をすることも多く、時に失敗することもあるが、ここでは見事に成功していると思う。
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