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[コメント] 青春デンデケデケデケ(1992/日)

確かにそこにあったはずのものを確かめる旅
味噌漬の味

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







普通バンドってもう少しモメたりするだろうとか、そもそも最初から演奏うますぎるだろうとか、突っ込みどころはあるのですが、やっぱり高校卒業直前に主人公がバンドゆかりの地、いわば「青春のあった場所」を一人でめぐるところはグッときました。あの時確かにそこにあったはずのものが、今はどこにもなくなっている。あの時確かに自分たちはそこにいて、色々な話をして、演奏をした、という事実が本当にあったということが、その場所に行ってみたところでわからない。証拠なんてどこにもない。でも、本当にあったよね、俺たちここにいたよね、という、願いに近いものをこのとき主人公は感じていたんじゃないかなぁ。

個人的には、小学校の途中で転校を経験して、それ以来全く元の小学校のあった地域に行く機会もないまま20年近く過ぎてしまってから、ふとその町に行ってみたときのことを思い出しました。昔住んでいた家の前で、ああ、20年前の自分は本当にここに住んでいたんだよね、今、時間を20年前に戻したら、この家の玄関から小学生の自分が出てくるんだよね、ということを、願いに似た気持ちで思いながらぼんやり突っ立っていたときの感覚を思い出しました。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)死ぬまでシネマ[*] セント[*] ぽんしゅう[*]

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