コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] はだしのゲン(1976/日)

低予算映画であることで、却って原爆の被害をカメラ内に抑え得たところは幸か不幸か。物語としては山田典吾の腕はいささか不足ではあるが、下品であり(即ち子供の嗜好に密接しており)、なおかつストレートであることで子供に訴えかける力は強い。(05.8.24再見)
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原爆投下後のインパクトは今見るとさほどのものではない。作品としても雑多なエピソードの羅列であり(隣人の朝鮮人は意味ありげに出てきて、第3部に到るまで姿を見せないし、原爆投下後も朝会では呑気な子供たちの会話があり、そこで「玉音放送」を聞くことになる。また、ゲンが米を分けてもらいに行く農家では、戦時とは思えない一家の団欒がある)、その構成力は弱い。

だが、荒削りながらそのメッセージは強く、一家の父たる三國連太郎の時代を憂える言葉は熱い。そして、焼け死んだ家族のドクロを車に乗せ、ゲンたちが旅立つシーンの衝撃は、生徒時代に観たときそのままである。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)寒山拾得[*] 直人[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。