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[コメント] はだしのゲン 涙の爆発(1977/日)

正直なところ、下品である。テーマ音楽やズームアップの濫用は言うに及ばず、子供たちの漫画ならではの悪ガキぶりを丸のまま実写化した、徹底的に明るい演出での描き方はどうだ。だが、これこそが児童映画の正しいありようだと感じる。
水那岐

子供たちは食料を手に入れるのに手段を選ばず、気に入らない家の井戸にはチンポコ放り出して立ち小便してやる。口ずさむ歌はいずれも軍歌や戦時歌謡の卑俗な替え歌だ。子供たちの汚れ具合がイマイチ足りないところを除けば、まさしく戦災孤児たちの正確なスケッチだと感じる。

こういった映画は概して小学校の講堂などで児童を集めて見せるのであろうが、本音で生きる子供たちの物語は現代の児童にも共感をもって受け入れられるのではないか。広島弁をナチュラルに使えているかは疑問だが、少なくとも子供たちの演技は嘘のないものになっている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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