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[コメント] 突然炎のごとく(1962/仏)

ヌーヴェルヴァーグの双璧、撃沈。

この映画は、というよりヌーヴェルヴァーグは人間を描いていない。そういう意味でハイタカさんの幻っていう意見に納得。私の場合、ネガティブですが。

人間には絶対的なコミュニケーションの不可能性っていうのがあると思ってるんです。で、それを埋めるために相手の意図を推測し、そこから了解や誤解が生まれ、情態に潜在的な変化が起こる。そういった機微が、これらの映画では、描かれていない。というより、描かれていたとしても直接的すぎる。

彼らの会話はすべて意図どおりに相手に伝わっているように見える。誤解が生まれたとしても、すぐにそれが直接的に表面化する。

ここで描かれているのは、情態ではなく状況。

話を進めるためと、洒落たせりふを言わせるための人形のよう。

観たいのは、ハリボテ(人形)ではなくて、その背後に広がる真実の世界(人間)。映画がフィクションだということとは違う次元で、映画は現実なはず。

平面的なイマージュの中には没入できない。中に踏み込むためには奥行きが必要。

※しかし、なんでヌーヴェルヴァーグは不思議女系が好きなの?観ててイライラするんだけど。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] ユリノキマリ[*] けにろん[*]

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