カーク・ダグラス自伝「くず屋の息子」によると――。

　最初の台本に惚れ込んだダグラスが映画化せんがために陰日向で走り回り、ＵＡからの出資をとりつけようやく製作にごぎつけた。

　ところが撮影直前にスタンリー・キューブリックが書き直した台本では、死刑宣告された３人は執行直前に営倉入りに減刑され、いがみ合っていたダックス大佐とミロー将軍が肩を組んでハッピーエンド…というシロモノだったらしい。

　これを読んだダグラスはキューブリックに詰め寄った。するとキューブリックは「こっちの方が客を呼べるでしょ？」と淡々と言ってのけたそうな。

　ダグラス、大激怒。台本をブン投げてわめき散らした。

　そして、最初の台本で撮影するようキューブリックに強要したのである。

　――名作誕生のウラ話。どこまで本当なのかなあ。