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[コメント] うなぎ(1997/日)

マリー・アントワネット』=キルスティン・ダンスト、『カポーティ』=フィリップ・シーモア・ホフマン、『うなぎ』=役所広司。タイトルが「山下拓郎」じゃなくてよかった。
牛乳瓶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「山下拓郎」=役所広司は、不貞を犯した妻を殺害し、8年間を刑務所で過ごし仮出所してきた男である。とても寡黙で心を開いて話すことが出来る相手は、「うなぎ」のみ。そんな男が主人公の映画である。

従来の今村作品に比べ、「うなぎ」らしさが足りないような気がする。つまり、もうちょっとドロドロしていて、ねちっこい。そんな感じが欲しかったのは事実であるが、柄本明市原悦子への演出には従来の今村節が炸裂している。B級映画のモンスターばりの迫力を持つ柄本の「女のまたぐらで般若心経となえてやる」なんて台詞も素晴らしいが、市原が娘の清水がセックスしている部屋へ乗り込んで、リストカットして見せる様も悪夢のような恐ろしさがあった。

日本アカデミー賞では市原でなく倍賞美津子が受賞したが、断然市原がインパクトは上だろう。今回の倍賞は少々抑え気味の演技でしっとりした質感を持った温かみのある演技を披露。そして、受賞した役所も見せ場はそこまで多くは用意されていないものの、全体的に落ち着いた演技を披露。

今村監督としては評価は低い作品かもしれない。カンヌ受賞との事ですが、ヨーロッパ人がこういう作品がすきなのは良く分かります。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りかちゅ[*] けにろん[*]

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