[コメント] 半落ち(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画、『高瀬舟』以降、脳死問題を経て、ずっと続く人間の尊厳死論争をテーマにした映画かと思いきや、もう一方で、骨髄移植のドナーとレシピエントの関係(レシピエントの人権保護・臓器売買の禁止等のための法的接触規制)を描いている。
空白の2日間が「愛する妻のための何か」というよりは「レシピエントの保護」が主たる原因だとわかり、僕的にはテーマに微妙なズレを感じた。
感動ポイントとして用意されてる各シーンを列挙してみたが、微妙に僕の涙腺の周囲を刺激しただけで、涙を流すには至らなかった。
1.原田美枝子がアルツハイマーのため、息子の記憶がなくなっていくという逸話。
2.樹木希林が、妹を押し付けてごめんなさいと法廷で泣きじゃくるシーン。
3.原田美枝子の日記の文字が判別不能になってきて、アルツハイマーが進行していることがわかるシーン。
4.吉岡秀隆演じる裁判官がすくっと立ち上がり言った台詞。
5.柴田恭兵演じる刑事が最後に見せた敬礼。
6.寺尾聡(ホクロなし)が「妻を愛していました」と法廷で述べるシーン。
7.森山直太郎のエンディング曲。
8.「命をありがとう」の投書全文。
妻が僕にしてきた質問。
1.「何で51歳まで生きていようと思ったの?」
A.寺尾聡もドナー登録しているから、誰かの役に立てるかもしれないギリギリまで生きていようって思ったんじゃない?
2.「何で新宿に行ったことを隠さなきゃいけないの?」
A.ドナー関係者とレシピエント関係者は基本的に接触しちゃいけないし、マスコミや何かから守ってあげたかったんじゃない?
3.「ドナー登録一緒にしに行く?」
A.絶対言うと思ったよ。
4.「私が頼んだら同じように殺してくれる?」
A.一緒に死ぬよ、多分。。。
この映画、今一つ泣けなかった理由がわかった。
僕達の間には子供がいないこと。
それと、寺尾聡が最後まで泣かなかったこと。
僕が男だってこと。
しかし、警察内部腐敗や司法取引など舞台裏の見せ方は『踊る大捜査線』なんかより
いやらしい部分を抉っていて、嫌いじゃない。
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