[コメント] チルソクの夏(2003/日)
さり気なく流れに溶け込んだこだわりならまだしも、その時代を代表する記号の羅列は懐かしさ以前にあざとさばかりが目立つ。そんなことより現代の役者の演技や映画音楽にもこだわって欲しかった。話もいいし、少女達の輝きは眩いばかりだけになんとも残念。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『半落ち』でもそうだったが、佐々部清の過度な演出が映画の流れを壊してしまっている。
例えば、安と郁子がチルソクの約束をするシーン。これは誰が見ても『ロミオとジュリエット』で、そのまま流せばいいシーンになるものを、わざわざ台詞で引用のご説明とは…。
また「何か書くもの」と言われて何故に口紅とトイレットペーパー?
さらに『幸福の黄色いハンカチ』のあの無残な使われ方や、安と郁子の再会の感動を断ち切る「カルメン77」等々、とにかく理解し難いようなシーンが多々見られて、せっかくのいい本筋が台無しである。
加えて大人になってからの彼女たちのあの演技、あのトーンの違い…。同一人物を違う役者が演じる時に気をつけなければならない最低限の約束事が全く守られていないし、だいたいその部分だけをモノクロにするなんていう古典的な手法自体(確信犯ならまだしも)どうかと思う。
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