[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)
穴だらけの脚本を見逃すことは出来ない。
この作品は、確かに他を圧倒するものを持っている。それは、壮大な風景や戦闘の迫力といった壮麗な視覚的現れであるし、他方で、背景にあるこの映画を作り上げた関係者の「根性」とでも呼ぶべき精神である。
映画史におけるひとつの巨大な金字塔であることは間違いないだろう。
しかし、物語が十分に語られていないことは、他の方々が指摘しているとおりである。原作をすべて再現しろとは言わない。しかし、省略するなら、物語から完全に切り取るべきであるにもかかわらず、ここでは、原作を知らないものにとっても引っかかるほど稚拙な省略がされている。
最後の最後でまとめきれなかったという落ち度(しかも致命的なそれ)を、ハリウッド的スペクタクルと精神論をもって赦免することは、細部に至るまで精密/誠実に作り上げられているような映画に対する侮辱になりかねない。
前二作と比べて、完成度が落ちていることは明らかであるし、「幽霊強すぎ」の戦闘シーンも物足りない。
『指輪物語』に特別な思い入れがないものにとって、すなわち一映画好きにとって、長所と短所を見極めて評価することが〈映画〉に対する誠実さだと思う。
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