[コメント] みんな〜やってるか!(1994/日)
北野映画は基本的に<ユーモア>だったけど、これだけは<ギャグ>
意外とユーモアは難しい。しかし、ギャグはわかりやすい。ギャグは、結局、破壊と非常識だから(逆にユーモアは、日常を少しだけずらしていくものだと思う)。けども、ギャグがきびしいところは、一度ぶち壊したもの=ギャグは常識になってしまうということ。だから次々に新しいギャグ=非常識が必要になって、芸人はテンパってく(そう考えると、古典芸能は楽かも。ひたすらマンネリであることで、笑わせるんだから)。
もちろん自分のような凡人に言われなくても、ビートたけしは、上に書いたことを全部わかってる。わかった上で、ある意味自己批評的に、この映画を撮ったのではないか。いや、もっと本質的に言えば、大衆というもののバカさを痛いくらい知ってるのだ、この人は。結局、服ぬいだら笑っちゃうんだよ、あいつらは、みたいなことを。「ひょうきん族」以降、彼がどこかシニカルになって、<笑い>から離れて行ったのも、そのためなんだろう。そして、この映画でぼくたちは、芸人・ビートたけしに試されてるのだ。
「お前ら、笑えないだろ?」、と。
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