韓国の家族思いというのは世界的にも有名である。 だが、ジョンドウの兄夫婦、母親の冷酷さは際立つ。ジャンドウも少しワルだが、心を持っている。ジャンドウの家族は生活の為とはいえ、ジャンドウを人扱いしなかった。してはいけない事をしてしまった。その反省もまったくないまま、ジャンドウを持て余している。

コンジュの兄夫婦、隣近所も全くジャンドウのそれと一緒である。家族という愛情のかけらさえない。

その二人が小さな愛を求め合うのは自然で、本当に美しい。まさに、現実の中での小さなオアシスだ。

だから、一般人に理解を求める事は敢えてせず、二人は作り始めたオアシスを完成させようとする。オアシスの絵画に影を消すために、枝を剪定しにコンジュの家に戻るのだ。コンジュは大音響のラジオで意思をジャンドウに伝える。

美しいラストだ。

だが、一般人にはすぐ忘れ去られるエピソードであるし、一般人は弱者の事など、一切脳裏にないまま、相変わらず無関心の、通常の生活をしている。

怖いラストである。