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[コメント] ピーター・パン(2003/米)

ディズニーにはできない『ピーター・パン』。久しぶりに純粋(ではないところもあるが)に心動かされた作品
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ピーターパン』と言えば、緑色の服に赤い羽のついた帽子のディズニーピーターを思い出す人が多数いると思う(私は名作劇場だ)がこれから、私にはこのピーターが一番になりそうだ。

もしディズニーが実写でピーターを作れば、こんな心動く話にはならなかっただろうな…と思う。ネバーランドの物悲しさとか、フックやピーターが“永遠”というフレーズや“ネバーランド”というものに囚われている事を匂わすところなんか、物語に微量な陰を落としていて好き。

やはり、本物の役者がやると、“ピーターパン”という曖昧だったキャラクターが温かみを持って感じられ、彼の人間らしい感情が浮き彫りになった。それは勿論、脚本や演出の妙でもあるが、何より素晴らしいのが主演のジェレミー・サンプター。役を演じる彼の持つ少年が成長する前の色気。それは正にピーターが持っている魅惑的な部分そのものだと思う。しかもあの美しさ!美少年&美男子支援者としてはもう注目せずにはいられないところだ(笑)。というかむしろエロい。えらいエロいピーターパンだ。エロパンだ。でも、それはとても純粋なエロさだろう。子供らしさの同居した。ジェレミーのウェンディに対する表情がまた素晴らしい。彼女を見る恋する視線の素直さ、彼女を失うかもしれない瞬間の潤む瞳。彼の頬の熱や体温がここまで伝わってきそう。ウェンディに恋する彼に、こちらまで恋をしてしまう。子供らしい単純さも笑える。

ラストはとても切なくて涙が止まらなかった。もう二人は決して出会う事はない。甘酸っぱい初恋の時はただ一度だけ。妖精の中でひとときのダンスを楽しむ二人を思い出し、更に涙が流れた。ピーターの初恋同様、この映画も主演のジェレミーが成長してしまう以上二度と新しいものはできない。このピーターには二度と出会えないのだ。それ故にこれは名作であると思う。そして愛しく心に残り続けると思う。まるで自分の初恋を懐かしむように。

もう私は大人になってしまったけれど、きっとピーターは今でも右から2番目の星の先にいるのだろうな…

いつにも増して上手くかけませんでしたが、本当に素晴らしい映画でした。大好きです

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] トシ

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