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[コメント] スクール・オブ・ロック(2003/米=独)

脚本は陳腐で展開もダラダラ。ジャック・ブラックが目立ちすぎてて苛つく。映画としては大した出来ではないけど、それでもクライマックスで泣いている俺が居た。 2004年4月23日試写会鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「ダメ男がしっかりモノのガキの面倒を見る」という展開に、「型破り教師が勉強より大切な事を教える」という展開。もう何て陳腐で安っぽくて低脳で捻りも糞も無いプロットなの?大体、チラシを見て「何だよ、このオッサン」と言う感じで(ジャック・ブラックを知らない俺は)バカにしていた。

映画が始まっても、このオッサンがひたすら目立ちたい、金が欲しい、と言う目的でぼんくら生活を続けているだけの嫌悪感すれすれのオープニングが始まり、臨時教師になってガキドモとバンド結成するも、所詮「俺のソロだ!」「俺の曲だ!」というのばかりで、高校生ながら大人気ないと思ってしまった。多分俺だったらこの教師をわざと怒らせて殴らせ、体罰を受けたとか何とか言って校長に言いに行くな(最低

そんなこんなで、中盤辺りまでは「ロックを教え込む」という授業内容と、そこから少しずつロックな奴らに変わって行く生徒達を見ながら喜ぶ半面で、ジャック・ブラックが目立ちすぎて、っていうか目立ちたがりすぎて、五月蝿く感じていた。

だが、そんな苛立ちも少しずつ和らいで行く。少しずつガキどものキャラが立ち始めて着ていたから(とは言うものの、バンドメンバーの一人の元チェロ奏者の女の子は最後まで目だってなかったけど。エンドロールのメンバー紹介の時すら無視されていて、あれは不当な扱いだろ)。

って訳で、三文プロットも先の読めるお約束の展開も、全てロック魂がぶっ飛ばしてくれる。そうだ、これは映画なんだ!現実じゃないんだ!しかも映画の中でやってるのは、例え演奏が物足りない物でも、ちょっと赤面しちゃいそうな恥ずかしい事叫んでても、これはロックなんだ!

こんなガキどもがロックを楽しんでやがるんだぜ!!って、俺は音楽の事は詳しくありませんけど。

そう思うと、ついついクライマックスの演奏シーンでは涙を流してしまったよ。この穴だらけの凸凹の、駄作と紙一重の映画こそ、考えるな、感じろ、のロック魂だね。演奏が下手糞でも客が興奮すればそれで成功なのだ。ロックはスマートにある必要はない。ワンステージが世界を変える。

うん、いいじゃないか、いいじゃないか。と、一人満足しながら劇場を後にした。

(評価:★4)

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