[コメント] トロイ(2004/米)
この映画の基本的な路線は間違っていないと支持する。☆3.9点。
ブルームがパリス王子というこの映画で最も難しい役を見事に演じきれば、この映画は成功だったのだろう。その点では本当に残念でならない。シーチキン氏の言う通り、この映画はトロイ戦争を神話から蘇らせた本格派ドラマである。脚本の基本的な道筋は間違ってなかったのだと思う。その写実的な手法は物語に深みと厚みを持たせている。テクニカラーを思わせる見事なエーゲ海の碧さと翠。撮影・美術は見事に仕事を果たした。
足りなかったのは、あと少しの悲哀である。愛情が戦争になってしまう悲劇。ひとが生きた証を残そうと抗う哀れ。若者が功を焦って早死にする。無敵の戦士が気を許して矢に斃れる。賢い筈の王が肝腎なところで判断を誤る。…usw. それぞれのエピソードは皆深い意味があったと思う。ぼくはこの映画を貶す気には全然ならない。見事な映画だ。だが、残念でならないのだ。
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