[コメント] ヴァンダの部屋(2000/ポルトガル=独=スイス=伊)
3時間の苦痛、その先にあるもの。
この映画に耐えられれば、どんな映画も余裕で大丈夫・・・ってくらいに自分にとっては退屈な映画だった。ほとんどが室内で、固定カメラによる長回し。どんな長回しフェチもうんざりすること間違いなしである。しかも日常的な会話だけが延々と続いてゆき、物語はないに等しい。さらに出演者は本当に病気なのか咳がひどく、観ていてこっちまで具合が悪くなるような不快さだ。ハッキリ言って一般的な面白さは皆無であり、映画の半分くらいでこの映画を選んでしまった自分を呪いたくなること請け合いだ。
ただし、我慢して(人によるが)最後まで観ると、この映画のやりたかったことが初めてわかる。これは体験型の映画といえ、主人公たちと時間を共有することが目的なのだ。その時間は空虚であり、無駄なように感じられる。まるで友人の家に遊びに行って、何もすることがなく時間を持て余して帰ってきた、そんな体験に近いかもしれない。それが無意味だったのか、それも思い出の一つとなるかはその人次第であり、私の評価もその狭間で揺れている。
余談だが、この映画を観た日に母校である中学校が廃校になる事を知った。その時に感じた気持ちと、この映画を観た感想は少し似ている気がした。そんな映画なんですが、少しはイメージできましたでしょうか?
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