[コメント] 大いなる西部(1958/米)
水脈を巡り老木が倒れ新芽が芽吹く西部の変革期を描くワイラーの、人格の対比に基づく、大作に似合わぬ展開の早さで見せる人間ドラマには一日の長を感じるが、殴り合いや永年の怨讐を決する決闘の際に使用される無残なロングショットまでもが詩情などと言われると、それは違うと主人公のペックばりに反旗を翻さずにはいられない。仮にも西部を舞台に決闘を描くのであるならば、そこまでもをワイラー流で通すのではなく、その舞台で名を成した先達の妙技を踏襲した演出で見せてほしかった。ブラナーの撮影には、経験に基づく冴えが見られたショットも多かっただけに、その部分だけは本当に残念。
あと、こんなことを言っては元も子もないが、青白いひげそりあとが目立つペックは、カラー画面には決定的に合わない人だなぁと改めて思った。
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