[コメント] スパイダーマン2(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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大半は前作と同じ『スパイダーマン』トーンとも言うべき流れの中で進んでいくのだが、その中に明らかにトーンが違うシーンがある。ひとつには病院でドック・オクが暴れるシーン。上手くチェーンソーを登場させて(決して血が流れ出ることはないが…このあたりはR指定への配慮か)ホラー趣味たっぷりの演出が施されている。またドック・オクがボロボロの建物でもっと強大な核融合装置を作る場面。ここも全体の流れが止まるほどの勢いで丁寧に描かれている。
何のことはない。これはお金がなかった頃の自作へのオマージュではないか。サム・ライミと言えば初期の頃は低予算のスプラッター・ムービーで名を馳せた人であるが、すっかり売れっ子となった今、おそらく当時の1本分くらい(いや、それ以上?)の予算を使ってかわいい自作へオマージュを捧げるなんて、何て粋なやつなんだと思う。この映画を観たリーアム・『ダークマン』・ニーソンなんかもきっとニヤニヤしてるんだろうなとこっちまでニヤニヤしてしまう。
またオマージュと言えば「雨に濡れても」が流れるあのシーン。あそこは音楽だけでなくトーンも70年代風にまとめられていてある意味泣けた嬉しいシーンだった。
さらにさらに最後には(MJのあの表情の変化まで含めて)『卒業』が飛び出すし(余談だが、ドレスで駆けるシーンでのMJは本当に綺麗だと思った。ピーターの誕生会のシーンなんかの彼女とはとても同一人物とは思えないほどだ)、ここまでやられるともうサム・ライミの映画人魂に乾杯しとか言えなくなる。
その他みなさんが仰っているように電車を始めとする色々な場面での「泣き」も含めてこの映画には嬉しくなるポイントがいっぱいである。
USJに行くのもよいが、やはり映画館で映画そのものに酔うほどの快感はないと実感させられた傑作だった。
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