[コメント] ぼくの美しい人だから(1990/米)
原作との乖離をあまり感じなかった…、というのはやはり少数意見なんだろうなぁ。「誰にとっても」ではない「僕の」の部分は、スーザン・サランドンゆえに上手く表現できていたと思う。
恋愛モノはあまり得意でないがこれは好き、と言うと(見たことのある人には)たいてい驚かれるのがつらい…。
心にやわらかな疎外感や寂しさを抱えた者同士が出会って肉欲に徹する、それがやがて唯一の愛になる、というのはなかなかどうして単純でわかりやすいのでは…。という考えはやはりまずいのでしょうか。世間的にはまずいんだろーなー。
でも、人が人を好きになる理由なんてなんだっていいんだな、ということをこの映画を思い出しては妙に納得して感動もする。金銭欲からはじまる恋愛も、同情や対面的なもの、権力闘争などからはじまる恋愛も、それはそれでアリなんだと思う。それがふたりのあいだで結実しているのなら、それはそれでいいのだと思う。
いずれにせよ、「私」が「彼」に見いだした最大の美点は他の人にはきっとわからないだろうし、わかって欲しくなんかない。安易にみんなにわかってしまうような魅力なんて、そんなつまらないものはないから。
「私にとっての最も美しい人」を見つけたとき、そこに「私にしかわからない美」を発見したとき、私はこの映画をさらに好きになった。これはそんな映画だと思う。
冷静に考えてみて「二人の関係はただの傷のなめあいじゃないか?」という気もしないでもないけど、それでも、なめあう相手がいるだけ上等じゃーないかとも思う。
一人より二人がいいし、それが自分にとって「美しい人」ならそんな贅沢なことはない。
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