[コメント] ディープ・ブルー(2003/英=独)
迫力ある映像に脱帽。カメラマン、いやクルー全員に惜しみない拍手を贈りたい。だが残念なのは、この映画は「素晴らしい映像を繋ぎ合わせただけ」という印象を与えてしまうことだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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勿論、ドキュメンタリー映画というものは事実を映像化するものなのだから、主観や過剰な演出は要らない。だが、この作品は映画として余りにも主体が無さ過ぎるかなとも感じた。
おそらくこの映像群は、一つ一つは滅多に見られない貴重なショットであろう。それもそのはず、クルーが7年がかりで撮影したのだから。
しかし、ユーモラスなカニの団子作り(?)、アシカの赤ちゃん、氷に閉ざされた白イルカ、シャチの仔クジラ捕獲シーン、深海の神秘など、「おお!」と思わせる場面の合間合間に「繋ぎ」で魚の群れや美しい波の映像を織り込んでいるように思えた。
個々の生物のエピソード単体では見所満載なのだが、全体としてストーリー性が無くて少々戸惑ってしまった。
ラストは唐突に「シロナガスクジラは年々数が減っている」で終わってしまう。それまで90分間海の神秘の世界に浸らせておいて締めがそれか!?それだけか!?
例えばラストは暗い暗い深海から海面に上がってきたカメラが夜明けを映し出すとか、生命の誕生を持ってきて「これから」を感じさせる終わり方にするとか、もっと抑揚のある作りにすると面白かったと思う。
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