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[コメント] スチームボーイ(2004/日)

これは大まじめに作った『天空の城ラピュタ』のパロディであり、宮崎駿氏への挑戦状である・・・かな?
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何故に挑戦状かというと、『天空の城ラピュタ』と同様「強大な力を手に入れた人が、その力に惑わされて自滅する」というものでありながら、

・その最高のジョークは、観覧車やメリーゴーランドの登場である。・・・いやはやなんとも。

・「冒険活劇」のはずなのに、まるでドキドキワクワク感がないということ。

・誰が本当の悪人なのか?それを描かないのが大友作品の特徴であるが、登場人物の目的も主義主張もコロコロ変わって、こちらがついて行けなくなるということ。

・大友作品の特徴はキャラクターに感情移入を許さない。それがあだになったのか、「冒険活劇」に必須のキャラクターに対する存在感と魅力が無さ過ぎ。主人公でさえキャラが立ってないし、特にスカーレットはストーリー上、存在価値がない。

・・・と言うことで、”人物よりもメカや街を描きたい”という大友克洋氏の姿勢が、このテーマにマッチしなかったと言うことだ。しかも、宮崎駿氏への9年遅れの挑戦状。

他に気になるところをあげつらうと、

・レイの顔は東洋系でしょう。スカーレットは大友克洋氏のキャラとは到底思えない。

・スケールの統一がまちまち。例えば、レイがディナーにつく時、オハラ財団の雇われ社長サイモンが手にする皿が1/2程度の大きさで描かれたり、スチーム城が万博会場に鎮座している時に較べ、ロンドン上空にある時はその数倍はあるように見受けられる。

・政治が働いているのか、とことん俳優を声優にあてている。特に一番しゃべる祖父ロイド役の中村嘉葎雄さんが滑舌が悪く聞き取れないのと、棒読み丸出しでひどい。

声優の問題は海外公開では解消できても、これでオスカー狙いとは厳しい。大友克洋氏が日本の誇りから転落した瞬間です。

当分の間記憶に残るのは、生まれて初めて映画館貸切だったと言うことと、事故にあったあとの父エディの髪型ですな。アップになると見るに耐えません。あれは笑うなって方が無理でしょう。ぷぷぷっ!

(評価:★2)

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