[コメント] スチームボーイ(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
スチーム城が崩壊した後の無数の氷の結晶。文脈的に考えると、自分には「死の灰」にしか見えないんですけど・・・。それを人々がぼーっと見とれながら、しまいには「科学は始まったばかりだ!」と主人公の締めのセリフで、希望たっぷりのエンディング。この展開って・・・あまりにちぐはく過ぎて理解不能。自分が読み違えたのだろうか・・・(汗)。
さらにワケがわからないのが、科学は力(金儲けや支配の道具)ではない、と言いながらも、肝心の「金儲けや支配の道具でない何か(宇宙の真理を解き明かすもの、とか人々の幸せのためにあるもの、みたいなことを言ってたかな)」を映画の中で肌で感じさせてくれるようなシーンはほとんどない。科学という名の「力」の行使への描写は延々と続くにも関わらず。ので、一体全体何が言いたいのか、何に力を入れているのかが非常に危うい。
言いたいことは他にもいろいろあるけど、最終的に不満をまとめると・・・。
科学を目の前にしても心が高揚しない。故にいっくら空を飛んでも浮遊感も飛翔感もほとんど味わえない。そして何より「奇想天外」が足りない。まだ解明されてないことが山ほどあるが故に、昔の人の頭の中には「空想科学」という名の奇想天外なガラクタと宝石がたっぷり詰まってたはず。そんな数々のワクワクを覗けるかと思っていたのに、フタを開けて結果がこれでは・・・。宮崎駿じゃなくて大友克洋なんだよ、と言われれば返す言葉もないけど。
(2004/08/01)
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