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[コメント] マッハ!!!!!!!!(2003/タイ)

 追いかけっこやフリーファイトでのムエタイを活かした美技には超興奮!(×8) だけれども、ヒーローの性格をいまいち生かし切れていないので、泣かせのシーンが効果を発揮できず。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ヒーローを助ける“村を出て行った男”、彼はなかなかいい味を出しているのだけれども、もっとうまく生かしうるキャラだったんじゃあないかなあ、と思う。

 立派な僧侶になって欲しい、という両親の願いに逆らい村を飛び出し、都会に出たわけだけれども、チンピラになることしかできなかった。両親はいつでも帰っておいで、と言ってくれるのだけれども、だからこそ、戻れない。

 なかなか複雑な内面を抱えているこの男、彼がヒーローを助けるのが単なる義侠心だけではなく、“戻れない男”になってしまった哀しみを浄化する、自分の理想を取り戻すためだ、というのは何となく理解できるのだけれども、ヒーローとの意思の疎通がいまいちなので、登場人物・観客を巻き込んだ盛り上がりには欠けるなあ、と思う。(私は、こういう復讐ものでは観客がいかに登場人物と一体となってカタルシスを得られるか、がなかなかに重要な要素だと思っております。) だから、ラストシーンでヒーローが僧侶になったのはヒーローがもともと僧侶志望だったからなのか、亡き友の想いを汲んでのことなのか、よくわからない。何となく消化不良の終わり。ただ、小娘がギャーギャーうるさい、とは思った。

 個人的には、ラストの戦いは由緒正しき古式ムエタイで、衆目の関心を集める中、正々堂々とリングの上で勝ちに行って欲しかったなあ。 あー、なんだかそれだと『少林サッカー』とモロに被ってしまいそうだあ。でもそういう単純なの、好きなんだ。

 それと、非常に期待を煽るあの宣伝文句はよくできてるなあ、とは思った。早回しはなかった(と信じよう)、でもそのかわりにやたらとスローモーションや繰り替えしが使われていた。観客にわかりやすくするためのサーヴィス、とは思うけれども、こういうのは追いかけっこのスピード感・マッハで繰り出される技のリズムを奪っていると思う。ジャッキー映画だと、一連のアクションの締めとなる大技でたまに出される感じだけれども、この映画ではやたらそういうの多い気がした。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)わっこ[*] peacefullife[*] トシ スパルタのキツネ[*]

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