[コメント] 風音(2004/日)
過去を離れて海を見る、涙を風に流す人々。
序盤で沖縄版『スタンド・バイ・ミー』を期待していたら、音楽タラフ・ドゥ・ハイドゥークス(@プランクトン)で、その実、沖縄版『僕のスウィング』だった。いや『ガッジョ・ディーロ』も入ってるし。
目取真俊の物語は設定からして絶品。帰結もこれ以上ないというほど完璧。加藤治子巧過ぎ。映画でこんな文学的余韻を味わえたのは正月に観た『ジョゼ』以来。
作品のテーマは「捨てる」。『僕のスウィング』『ガッジョ・ディーロ』などと共通するジプシーの哲学だ。
手紙はもういらない。写真もいらない。思い出は胸の奥に、友人や恋人の笑顔は網膜に、そして風音は鼓膜に刻み付けておけばいい。
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