[コメント] 原爆の子(1952/日)
乙羽信子は不幸に押し潰されてゆく人々の前で、一歩上の段に立っているように見える。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本来なら彼女も家族を全て失っているし、彼女自身も消えない傷を負ってはいるのだが、どうにも幸福いっぱいのお嬢さん…に見えてしまうのだ。それはまだ若い彼女の演技力不足のせいだけだろうか?滝沢修演じる盲目の乞食の、たったひとり残された肉親と引き離される煩悶が、はたしてこのお嬢さんには判っているのだろうか、とやり切れない気持ちになる。「お気の毒さまです」とか「お悔やみ申し上げます」としか言って廻れない彼女自身のスタンスに、彼女は嫌らしさを感じないのだろうか?結局、乙羽は滝沢の孫を引き取って広島を後にするのだが、彼女にいずれ明らかになる子供の心の傷を癒せるのかが最後まで不安だった。深読みのしすぎなのだろうが、どうにも安心できなかったのだ。
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