[コメント] 砂丘(1970/伊)
アントニオーニによるサマー・オブ・ラブ型直下地震、そして♪So Young♪
●『イージー・ライダー』がアスファルトを滑走するタナトス(死への欲動)だったとすれば、『砂丘』は空を飛翔するタナトスか・・・。ダリア・ハルプリンの「死のゲームをしましょう」という言葉が砂漠にこだましていく様に、この映画のすべてがあるよう。
偶然の愛のめぐりあいにそのまま体をあずけ、世界にシカトを決めこみながら、彼氏・彼女だけの非日常的な世界へとひたすらまどろむ。一般的なアメリカン・ニューシネマと異なるのは、この映画もたしかにニューシネマ的な反体制イデオロギーとタナトスが描かれてはいるが、あくまでも古典的なメロドラマ<愛と死>であることなのでしょう。そして、やわな知的スノビズムには収まらない肉感と映像(!)。単なる1968年辺りの‘時代のBGM’として消費されるには、あまりに素晴らしすぎます。
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