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[コメント] イズ・エー [is A.](2004/日)

命の重みを知るということは、たぶん自分が不完全な「一ピース」であることを知ることから始まるのだろう。それが幾枚も重なった一枚の絵の上に自分は生かされている。それを知らない少年は、他のピースがなくなってもおのれだけでこの世が完結する、と信じるのだろう。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







父である津田寛治は、また内藤剛志は、ひとつのピースの不完全さを熟知しつつ殺人へと向かう。だから、その殺人はひどく遣る瀬ない。

それに較べ小栗旬の死生観は、最初から自分という一ピースに余計なあれやこれやがくっついて「パンゲア」ができあがっているとでも言いたげな考えなのだから、実に簡単で、自分の死すらも左程辛くはない。津田のように無様に生き残る一ピースの哀しみなど、「綺麗」な死に方しかできない小栗に判ろう筈もない。とりあえず業深き熱血教師・内藤剛志は上手かった。

(評価:★4)

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