[コメント] プリティ・リーグ(1992/米)
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40〜50年代のアメリカが舞台なのでファッションや球場の看板などにしてもレトロで、どこかのんびりしている。でも時代は第二次世界大戦時でもある。そもそも女子リーグ誕生のきっかけが野球選手が戦場に取られた為というのが、センチメンタルな影を作品に落とす。喧嘩をしたり、試合では活き活きと活躍するメンバーたちが、爽快で活気がありテンポも良いのだけれど、やはりノスタルジックでセンチメンタルな雰囲気は常にどこか漂う。けれど、それが重いのではなく独特の効果を作品に与えていて非常に印象深い作品に仕上がっている。いつもはヒューマンで真摯なハンクスが本作で披露する無骨で不器用な演技も好感。タフなオドネルや、跳ねっ返りなマドンナら脇役勢もデービスを好サポート。個人的にはコンプレックスの強い自分勝手なペティのような人間は大嫌いなのですが、きちんと作品内に、その手の役柄も描き込んでいるのは流石ハリウッド!。後半の老女優たちに交代してからの再会のシーンも素直に胸を打つ。女子野球がテーマと聞くと話題性重視の印象が濃いけれど、人生の機微まで丁寧に折り込んでいる秀作。ただ詰め込みたいエピソードが多すぎて一つ一つが、やや浅くなりがちか?。こぼれ球を豪球で返す黒人女性や、ハンクスとデービスの関係、一度は廃止されそうになった女子リーグの再起への経過などもう少し掘り下げて観たかった気も。テーマ曲はマドンナが切なく歌う「This Used To Be My Playground」(ビルボード1位。年間チャートでも21位のメガヒット)。
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