コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ボン・ヴォヤージュ(2003/仏)

戦時下の時代を描く意味は感じられないが、エピックロマンにしては驚くべきテンポの速さで飽きさせずに楽しめる。フランス映画の雰囲気は残しているが、フランス映画が苦手な人でも楽しめるであろう。
Keita

 ハリウッドのアクション映画のように、間髪入れずにどんどん話が展開する。派手なアクションあり、ボルドーの町を豪快に車がぶっ飛ばす。しかし、それでも凝った衣装や美術により、しっかりフランス映画の雰囲気を残しているのが良い。近年、フランス映画をハリウッド化しようとしているリュック・ベッソンがいる中、この映画もヨーロッパ・コープが絡んでいるが、それでも巨匠ジャン・ポール・ラプノーはしっかりフランス映画の巨匠であった。

 加えて、意外に思えたのがイザベル・アジャーニの役柄だ。相変わらず年齢に反する美しさをキープしているが、彼女が演じた女優役は実にワガママで、自らの美しさで都合の良いように男を利用していく悪女だ。しかし、アジャーニが潤んだ瞳で頼みを込むと、その魅力に落ちてしまう男の気持ちが理解できてしまう。そんな女を50歳にもなるマダムが演じていると思うと多少気色悪いが、アジャーニは自らの若々しい美貌をこの役ではうまく相対化していると感じる。アジャーニのイメージに合致した役柄を演じた『イザベル・アジャーニの惑い』は不出来だったが、イメージとは違う『ボン・ヴォヤージュ』は悪くないのである。

 アジャーニと並んで、若手女優ヴィルジニー・ルドワイヤンも魅力を放っているので、女性が好みそうなファッションと共に、美人女優ふたりを堪能するのも良いだろう。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ドド[*] 水那岐[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。