[コメント] 東京タワー(2004/日)
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だって透みたいな男、少なからず俺の周りには存在しない!そりゃ世の中にいないなんて断言はしませんよ。だけどそんな男は希少すぎるぞ。天然記念物レベル。耕二にしたってそうだ。人妻食いが趣味の男なんて……泣けてくる。しかもそんな両者は親友?二人とも生活レベルが高い?セレブ???上流????…まぁ恐ろしい(笑)。つまり、(特定の)女性の理想像であったり幻想だったりするわけだろう。単刀直入に言えばファンタジーだ。
二つの恋愛を対比させることについて最初は疑問ばかりだった。一つの恋愛だけでは描き切れない要素は沢山あるはずで、なんて卑怯な設定だろうとも思えた。しかし観終わってみれば、両者は見事に対極する。それも狙ったかのごとく。詩史と透は「明日の無い」恋愛を続ける。耕二と喜美子の恋愛は終わりを告げる。対比させることによって生まれるものには様々なことが考えられるけど、アホなこと言わせてもらえば「不倫の可能性」ってことだろ?中間に立って傍観していた俺は妙な気分に浸ってしまった(笑)
不満点はいくつもある。明らかに不自然な演出(主に平山あや関連)の数々には目を覆いたくなる。ラブシーンは予想に反しておとなしい。これが中途半端なのか、または二人のジャニーズが限界ギリギリに挑戦してしまったのか…受け取り方はいろいろある。ただ、それならば半端なラブシーンをマシンガンのように連発するのではなく、ここぞ!という場面で濃厚な(露出は無くてもいい笑)演出をしたほうが良いのではないかい…。最大の不満はラストの舞台。「東京タワー」というタイトルなのだから、東京で締めろよ!と声を大にして言いたくなる。なんでエッフェル塔のショットなんて使うんだよ!と。
岡田と松本の高飛車な演技には序盤こそ鼻に付いたものの、不思議と慣れてきてしまう。逆にあれだけの演技を一貫したのはエライ。「演技が上手」というよりも、危ない雰囲気だけは伝わってくる。女優陣は無難すぎるかな。ただ圧巻なのは余貴美子だ。終盤、ガチで黒木に迫るシーンは女優魂みなぎる迫力だ!あそこは黒木を食っていたよ、間違いなく。あの場面は作品全体から考えても非常に重要で、詩史に関して一方的な描き方をしていないという言わば表明のようなもの。(対して寺島演じる喜美子が最後でサイコに見えたのはおかしくてたまらなかったが笑)
ターゲットが読めてくる映画ではあるが、決して男性が観られない映画でもないか。誰が悪いとか、誰が正しいとか、そんな映画でなくて一安心。陳腐すぎないのも良いかな。
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