[コメント] 小間使の日記(1963/仏=伊)
まったくブニュエルは変態爺だ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ブニュエルらしいブルジョア(有産階級)への徹底的な嘲笑と共に、小市民がファシズムに流された時代を強烈にえぐり出す。という訳で、この映画でのブニュエルの先鋭さには恐れ入るのだが、しかし、一番ブニュエルがやりたかったのはここでもフェティッシュなエロティシズムを画面に映し出すことだったのではなかろうか。
森で少女を犯して殺した下男(森番)が警察に逮捕されながら証拠不十分で不起訴となり、ラストでアクション・フランセーズ(反ユダヤ主義のファシスト団体)のデモに声援を送るという締め括りは確かに強烈だ。またラストカットの虚無感はブニュエルの認識を表出していもいるのだろう。しかしそのようなテーマ性の鮮烈さにも増して、モローが仕える老主人の靴と足への偏愛やミシェル・ピコリのスケベ心ぶりが、実にスリリングで忘れがたい。また、下男をおとしいれる為に身を挺するジャンヌ・モローのその肢体のエロティックなこと!そして、森の中に横たわる少女の太股を這う2匹の蝸牛!まったくブニュエルは変態爺だ!
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