[コメント] ライフ・イズ・ミラクル(2004/ユーゴスラビア=仏)
素晴らしい人間賛歌だ。自由への切ない人間の思いが切れのいい映像を通し直接に僕の心に伝わってくる。日本では味わえないごった煮を感じる相変わらずの作風だが、そこらのハリウッド映画を一刀両断してしまうほどすさまじいエネルギーに満ちている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前半が家族愛をテーマに牧歌的な展開が面白く、あまりに楽しいのでどのシーンにもにんまりさせられる。余裕のある演出。
後半、急に娘ほど年齢の違う敵国の女性と恋に落ちてしまうところからこの映画の本質が見えてくる。
これはもう日本の道行きに近く、男が恋に一途になり、ほとばしる気持ちを持て余すのみといった感覚がよく出ている。男とは所詮こんなものよ。
捕虜交換の女と一目の別れをしようと追っていくと、向こう側から愛しの息子が返されてくる。このシーンの滑稽で哀しいことよ。
男は愛する女のコートを息子の背にかけるしかなかった。
自分のためでない戦争なんて糞食らえ!自由バンザイ!など、切実に訴えている自由というテーマにはホント、感服いたしまする。
「アンダーグラウンド」のときもものすごいエネルギーを感じたけれど、今回はストレートなほとばしる愛にテーマを絞ったため、ユーゴという固有性を超え、テーマがより大きく広く分かりやすくなったと思う。
なんといっても、あのロバがいいよ。泣かせるねえ。
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