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[コメント] 蟹工船(1953/日)

「蟹・光線」という怪獣ものだと思い込んでいたものだ、昔。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







独立プロの作品、どんな貧乏な映画かと懸念したが、優れた美術・撮影で感服した。北方の空の雲を背景のシルエットは美しく、最初の海に溺れる件は悪夢のよう、モブシーンは圧巻であり、流れ作業の缶詰が光を漏らすワンカットなどヒッチコックばりである。

話は有名で、殆ど軍隊の上官みたいな資本家はプロパガンダ映画と一般だが本当の話だから仕方ない。ブラック企業は今でもこうだってのは全くもって嘆かわしい現実である。軍隊が庶民でなく企業家につくという収束はリアル。海軍か来たぞうと期待を持って迎えた労働者が哀れだ。騙されないようにせねばならん。特に本筋と関係のない山村聰の顛末が、何もできないインテリの悲哀を滲ませて意外と効いている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)KEI[*] 死ぬまでシネマ[*]

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