[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)
映画を見てて久々にぶん殴られたような衝撃を受ける。「相手の逆をつけ」とは映画の中のセリフだが、前のめりになった観客はその逆から繰り出されたフックに、意味も理解できぬままマットに沈む。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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昨今のイーストウッドの映画が一筋縄ではいかないことは百も承知だったので、単純なサクセスストーリーではないと心の準備はしていた。
それ故、物語の進行上わざと入れている「これは単純なサクセスストーリーじゃありませんよ」信号にビンビン反応してしまい、普通の映画を見る以上にハラハラドキドキさせられてしまった。特に、タイトル戦では一体何が起こることかと、手に汗握って見ていた…。
そして、ついにそれは起こった…。
まさかここまで絶望のドン底に突き落とすような事が起こるとは…。 あまりの絶望さ加減に、この事件の映画の中での意味も理解できなくなってしまった。
娘に対する贖罪?20年前に何があったの?それともボクサーが直面する悲しい現実について描きたいの? 頭の中は堂々巡りでさっぱり整理がつかない…。 『ミスティック・リバー』もそうだったが、最近のイーストウッドは救いようがない話ばかりだ…。
いうまでもないが、ヒラリー・スワンクの演技、というか仕事に対する真摯な態度は本当に驚嘆する。あそこまで体作りをして、かつプロ顔負けのスピーディーな躰さばき。他の女優おろか、普通の人にもなかなかできない。アカデミーの主演女優賞は当然の結果だ。
男前女優の極北シガニー・ウィーバーがおばあちゃんになるつつある今、彼女を主演に『エイリアン』の続編が見てみたい。
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