[コメント] 宇宙戦争(2005/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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あ、ついでに原作は小学生の頃サラッと読んでます。オリジナル版は未見。
個人的に『ゾンビ』『インデペンデンス・デイ』なんかを彷彿させるシーンもあったが、まあコレはスピルバーグが意識しているかどうか知らないので何も言及しないでおきます。とりあえず『ジュラシック・パーク』『A.I.』『ジョーズ』『プライベート・ライアン』『未知との遭遇』『マイノリティ・リポート』なんかで観たことあるような場面が多々あった。しかし、これをスピルバーグの集大成と呼べる人がどこにいようか?映像のクオリティは、「宇宙人に現代文明が攻撃されるとこんな風になるのか・・・」というイメージをある程度植え付けた『インデペンデンス・デイ』から更に大きく進歩した。随所に見られるカメラワークも流石である。一市民を視点として描かれる物語も新鮮で、パニックムービーとして半永久的に語り継がれていく要因はかなりあったといえる。しかし脚本も宇宙人の造型もお粗末だし、スピルバーグの方にも、近年のほとんどの作品に見られる適度に抜いて作ってるという印象をビシビシと感じた。なんかもう、公開までの時間も煮詰められるアイデアもないから、とりあえずオマージュだ、オマージュって感じで撮影したんじゃないかって感じがした。だって忙しいもんね、スピルバーグ。この後はミュンヘン五輪でのテロ事件の映画にリンカーン伝記映画、そしてインディジョーンズ4が予定されてるとか。そういや『生きる』のリメイクの話もあったな。(全て2005年7月現在の情報)これだけ製作予定の企画が目白押しだと、過労死しないかってことよりも作り込んだ傑作が誕生しそうにない気がして仕方ない。
公開からしばらく経ってから観に行ったので、オチがあっけないとかいう周囲の噂を既に聞いていた。原作を読んだ身としては「微生物にやられちゃった」という原作のままのオチを持ってきたことを予想していたが、そこであの安易なナレーションを持ってくることだけはやめて欲しかった。 個人的には映画をあそこまで一般民の視点で描いたのなら、全人類的な教訓メッセージにする必要なかったんじゃないの?と思うわけで。
某インド人監督作品、『マトリックス・レボリューションズ』、そしてこの『宇宙戦争』・・・。俺の中では完全秘密主義での製作の上に公開される大作に傑作なしというイメージが定着しつつある。特に「レボリューションズ」と「宇宙戦争」に至っては海賊版防止と抜かしつつ情報をシャットアウトした上で世界同時公開に踏み切っている。これはある程度の収益を期待できる大作であるということに奢りきった、作品内容への不安の表れだとしか思えない。
あ、それからティム・ロビンスはお小遣い欲しかったんだろうかね。
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