演出に煽り心＆こらえ性がない。

　達也が練習に戻ってきて、みんなが団結ムードになったと思ったらすぐさま決勝戦。いくらなんでも早すぎ！　厳しい練習風景とか予選を勝ち進んでいく姿をワンシーンでも入れていただきたかった。

　いちばん盛り上がるはずの上杉達也ＶＳ新田明男戦が全くもってダメダメ。勝負が決着する前の段階で和也の幽霊登場に苦笑。たった３球で勝負あり。あの果てしなく続くファール合戦はどこに行った！？

　脇役の存在感が全編にわたって希薄な中、賑やかしにすらなってないひどい扱いの安藤希と若槻千夏。

　律儀に原作の設定を踏襲して、本物の双子である斉藤兄弟を起用したのがあだになっちゃった。達也と和也の区別が付かずに紛らわしいシーンがある。原作だと双子でもちゃんと見分けが付くようになってるしね。

　ついでに野球ファンとして言わせて貰うと、この製作陣は野球が全然分かってない。

　キャッチャーがストレートで待っていて、急に高速スライダーなんか投げられたらミットの動かし方が変になる。最悪の場合、後ろにボールをそらす。投げる前に「達也が考太郎に向けてとっておきのスライダーを投げるぜ！」的なコマを１拍入れていただきたかった。

　決勝戦が行われている球場、外見は神宮球場。実際の試合はまるっきり別の球場で熱い試合。すごく気が散る＆へこむ。