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[コメント] ゴーストハンターズ(1986/米)

本作は、原題が『Big Trouble in Little China』(チャイナタウンの大事件)と言う実にストレートな題。そのストレートさがそのまんまストーリーに反映している。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ジョン=カーペンター監督は大好きな監督だ。一時期はホラーばかり撮っていてジャンル監督と見られていたが、今では結構しっとりした作品も作ったり、派手なサスペンス作品を撮ったりもする。だけど、それら全てに共通するのは、全部が全部B級テイストに溢れていると言うこと。予算が碌々無く、明らかに安っぽい造形を使ったとしても、予算をふんだんに使ってSFXを多量に用いたとしても、やはりB級になってしまう。常に安っぽい人間ドラマと変な生物が混在する世界を創り出し、そしてとにかくその中で馬鹿をする。この徹底さ、潔さがとにかく楽しい。彼を“一流”の監督と認めるにはやぶさかではないが、同時に彼ほどB級監督の名にはまる人物もいない。

 そしてそのカーペンター監督と異様に相性が良いのがカート=ラッセルで、見事に監督の創り出す世界にはまりこみ、そして見事な個性を出している(彼は俳優としても一流で、他に多くの作品にも出ているのだが、これ程はまる監督は他にいない)。その代表はなんと言っても“スネーク”プリスケン役だが、他にも『遊星からの物体X』のマクレディも、このジャック役も実にはまってる。

 魔界の主が現れ、チャンバラとカンフーで戦う。良いねえ。この単純な物語。見せ場も多いし、造形も安っぽくて(笑)。特に魔界の主と呼ばれるロー・パンの姿はまさに中華趣味丸出しで、とても強いように見えないのも面白い。それでそんなこと全く気にもしてない作品を作り上げた監督と、そして主演のラッセルに、やはり最大の拍手を送りたい。

 ケレン味溢れるラストも監督特有。B級好き、あるいはカーペンター好きだったら拍手する出来。そして単純で派手な映画が観たい、と言う人には絶対的な自信を持ってお薦めできる作品。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)太陽と戦慄 kawa[*] 新町 華終 kiona tkcrows[*]

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