[コメント] 羅生門(1950/日)
スクリーンから熱風が吹いてくる感じだ。あの三人がいる藪の中の、あの場所そのものが、物語としても、また歴史的映画の中の空間としても、どす黒く、暑く、禍々しく、途方もなく魅力的に思える。あの場所を陰から見ていた志村喬演ずる下人になり代わりたい。
確かにラストは蛇足だし、物語を歪ませてしまっているとは思うが、戦争に負けたばかりの、焼け跡だらけの混乱した日本(と世界)のために、あの希望を示すラストは必要だったのだろう。人は自分に都合の良い事実しか見ない、それゆえに深入りしてしまったのが、日本の十五年戦争だったんだもの。
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