[コメント] キング・コング(2005/ニュージーランド=米)
視線の交接への配慮。
例えばゴジラやウルトラマンより身長が低い、わずか5、6メートルばかりにキングコングを設定しているのは原作への敬意なのだろうか。それへの配慮があって1930年代にあえて時代を設定したとしても頷ける(現代ならテポドン使うまでも無いし)。 いや、多分それは正しくないだろう。おそらくは人間(ナオミ・ワッツ)とキングコングとの視線の交差が交わしえるぎりぎりの身長差を保つ必要があったのではないか。ナオミ・ワッツを掌に乗せて自然に瞳を交わすことができるような身長でなくては、あそこまでナイーヴな物語を紡ぐことは難しいと考えたに違いない。おそらくはその交接こそがこの物語を支えているといっても過言ではない。
あるいはビルディングに全身毛むくじゃらのキングコングが登るということ。それこそがスペクタルである、と監督は考えているのかもしれない。CGの使い方がいやらしさを感じさせないのはそういった部分にも根拠があるのだと思う。
純粋にわくわくして観たのだけれども、欲を言えば「フランケンシュタイン」からの伝統である“怖い存在が優しい心をもつ”というテーゼにもう少しスパイスが欲しかった。2005/12/25
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