[コメント] ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女(2005/米)
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いや、まぁそれなりに楽しくはあったんです。自分は、ファンタジー映画には甘いんで結構高評価つけてますけど。
原作は未見なんで、何とも言えないんですが、多分内容をさら〜ってなぞっただけなんでしょうね。ダイジェストみたいに見えます。ただ、内容をなぞることよりこの手のファンタジーにはなくちゃいけないものがあると思うんですよね。
それがないという事を感じた瞬間、もうこの物語にはワクワクはできないだろうなって思いました。それは
“息遣い”だと思うんですよ。それも、主人公である子供達の。どんな映画でも“息遣い”ってのは肝心だとは思うんですが、特にこういう普通の子供が未知であるファンタジー世界に入り込むという手の話では、あってしかるべきだと思うんですよね。
最初、ルーシーが衣装ダンスの奥にあるナルニアを見つけた瞬間、それは、見ている私達が最もシンクロし易い場面である筈だと思うんですよ。だって、衣装ダンスの奥に銀世界が広がってるんですよ!?これ、私が子供だったら家帰ってソッコー試したくなるような場面ですよ。だから見つけたルーシーは、見ている人間達より数倍興奮したり、感動したりしていなくてはいけないところなんです。それが、あんなにルーシーの顔がアップになって、尺としても十分とってあるその感動のシーンで“ルーシーの息遣い”がまったく感じられなかったんです。 ジョージー・ヘンリーは、なかなかに愛らしくルーシーを演じていたので、あぁ、これはもう撮り方に問題があるんだな……と。 そう思った瞬間、私と“ナルニア国”の間には埋められない距離が生まれてしまいました。
『ネバーエンディング・ストーリー』でバスチアンがファンタージェンに出会った瞬間、『グーニーズ』で海賊の宝に出会った瞬間、『ハリー・ポッター』でハリーが初めて魔法学校に来た瞬間……子供と未知の世界との出会いには計り知れない感動があると思うんです。それがない本作は、そつなくできてはいるけど、ファンタジーとしては大切な部分が欠如しているなと思いました。
そんな感じで生まれてしまった距離は、全然埋まる事無く本編は終了。それなりに面白いとは思いましたが、あまり満足はできませんでした。音楽もちょっと物足りない感じ。 戦争シーンも、異形の者同士の闘いというよりかは『トロイ』とか一時期流行った歴史モノで見た戦争シーンみたい。
やっぱりこういうのは子供の描き方ですよね。彼らは帰るのを忘れるほどの大事件に遭遇したのに、それがまったく感じられないってのもかなり致命的。子役の子達自体はなかなか良かったと思ったんですけどね。
あとアスラン。CGにしては結構キレイだと思ったんですが、あれただのライオンですよね?(笑)全然王の風格は感じませんでした。
女王役のティルダ・スウィントンは『コンスタンティン』の大天使役で中性的な魅力で良いと思ったんですが、ここでもカッコ良くて素敵でしたね。役柄的には1番オイシかったんではないでしょうか?
あと、キツネはちょっとツボでした(個人的)。
次回はどうなるかは判りませんが多分観るでしょう。一編に詰め込みすぎてる今回を見るに非常に不安ではありますが……。
子供を上手く使えないなんてあるまじきだよディ●ニー……(無駄に隠したけど)。
というか、撮るの下手ですよね?(長々話して結局そこに行き着く)
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