[コメント] ファイヤーウォール(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
サスペンスに限らず他のジャンルでも小説でもあまりに含まれる要素のバランス(構成)がきっちり均一だと面白さが半減する。この作品はまさにそれ。 家族が捕われて、主人公が危機に陥って、犯人達がミスを犯して、主人公が優位に立って、犯人が逃亡して…etcと,およそ考えられる要素のすべてが均一に散りばめられるので観客の予想を裏切らなすぎ!。
さらに存在が謎の強盗集団だが非情なのかと思いきや思いのほか手口が生温い!。キャンキャン吠える犬を煩さがりながら、殺さないのも後のGPS機能の効果の為だし ハリソンが振り込んだ金を元に戻したのに対し、家族を殺すと脅すだけでその場で犯人たちが誰も傷つけないのはファミリー映画しすぎ!。 今時のサスペンス小説界ならもっとリアルに犯人が躊躇しない作品って、たくさんあります。
さらに結束が緩いのか犯人同士で簡単に殺しあうし、ニコライ・コスター・ワルドゥにいたっては銃を持ってるのに、老齢のハリソンにジューサーで殴り殺されて、そのシーンで爆笑してしまった。 またハリソンが追跡する側になってから警察への依頼も遅すぎ(まぁ、だから映画なんだけど…)その辺を不自然に感じさせる脚本が揺る過ぎ。
最終的に老齢のハリソンと身体の大きなベタニーの素手の死闘シーンは確かに目を見張るものの最終的に犯人グループが何だったのかも謎だし コンピューター上での仕掛けもいまいち観客には解りづらいし、どーもなんとなくサスペンス作ってみました的ニュアンスで終わってしまっていて詰めが甘い。 マドセン筆頭に子供たち、フォスター、パトリックらサポーティング陣にもどこにも見せ場が無いのが脚本がストーリー展開に躍起になって余裕が無いのが見て取れる。
2006年製作でありながら何ら70〜80年代のサスペンスと代わり映えがしないじゃん!と思った人は多いのでは?。ラスティー(犬)の可愛いさだけが救い。子供たちと一緒にTVを観ている姿も滑稽だし、のこのこ道を歩いてるのをハリソンに発見され尻尾ふりふり抱かれる姿は、ぬいぐるみの様。助演男優賞もん。
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