実は物語自体は良いとか悪いとかは好きずきで、裏を返せばそんなに悪いわけでもなく、そんなに良いわけでもない。

お金かけて時間かけて作った分、ちゃんとした作品に仕上がっていると思うし、見せ場の時間配分がキャメロン特有のものなのかスペクタクル・シーンに割かれている分、人間関係のドロドロがごくごく簡単に処理されているようにも見える。

むしろ、この作品は“女性の図太さ”“女性のわがままさ”のようなものを肯定して、“惚れた男の愚かさ”みたいなものを痛切に表現しているようには見えないか。つまりは男キャメロン（脚本も書いてるし）の叫びなのか。 2001年も終わり掛けの頃に今更コメントするのもアレだが、命かけなきゃ男の想いは伝わらんのか、と思ったり。

多くの人間の命が失われた悲劇の中のある特定の男と女の悲恋、というよりも、ある特定の男と女の悲恋は、多くの人間の命が失われた悲劇の中にもあった、というカンジに見えて、“いい女には命を懸けて愛しても良いけど、結局命落としてしまいますぜ”と言われているような気がしてならない。被害妄想か。

何でも続編でジャックが浜に打ち上げられたところから始まる、というのが作られるという噂がまことしやかに流れたが、それはそれで観てみたい気もする。で、監督もキャメロンで。SFXバリバリで。何をどう撮ればそうなるか。