[コメント] タイタニック(1997/米)
亡くなった乗客ひとり一人の命の重みを表現することが、悲劇を題材に使った映画としての当たり前の配慮ではないでしょうか
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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タイタニック号の沈没は、乗客の2/3が亡くなった悲劇です。このような悲劇を題材に使うからには、これだけ多くの亡くなった方々に対して、ひとり一人への追悼の念とその重みを感じさせるための工夫があるべきだと私は思います。
この映画は、ラブロマンスです。主役の2人を中心に描くのは当たり前なのかも知れません。しかし、少しでも人格を持った人として描かれているのは、他には婚約者だけであり、その他の乗客は数あわせの人数でしかないと言わざるを得ません。この悲劇のなかで意味のある死は主人公の「彼」一人だけなのです。
もっとたくさんのドラマがあったに違いありません。そういった背景を感じさせ、ひとり一人の死の重みを伝えることこそが、必要だったのではないでしょうか。
キャメロンは、史実を再現することに異常なまでの勢力をつぎ込んだようです。死者や生存者も含めて、忠実に再現しようとしたと読みました。架空の主役達のために、歴史的な悲劇を下敷きにして、それも史実を再現しようなんて‥‥自己満足以外の何の意味があるのでしょう。
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