しかし、その実“仇討ち”という題材で、結局は一貫して描いてきた“償うべき罪の拠り所”であったり“人間の業”を、描いているのだと思った。

長年の歳月をかけて完全なる美談として出来上がっている『忠臣蔵』を、換骨奪胎して違う視点から見せているのも、見事という他ない。

撮り方、画面構成も完璧な位に、素晴らしい。

次世代を担うのは、是枝裕和なのかもしれない。

時代劇っぽくなくて初心者向けっぽい感じだが、むしろ時代劇ファンに見て欲しい作品。

香川照之、國村隼、中村嘉葎雄、田畑智子、夏川結衣、石橋蓮司、上島竜平、千原靖史、木村祐一、平泉成、絵沢萌子ら、いずれも相変わらずの芸達者振り。

宮沢りえは、もちろん綺麗。どんどん、好きになっていくわぁ。

古田新太って、あんまり好きな役者じゃないが、やっぱり上手いなぁ。

加瀬亮って、かなりブサイクだと思うんだが、本作といい『アバウト・ラブ／ 関於愛』と言い、たまに男前だったり可愛く見えたりするからビックリ。

岡田准一、浅野忠信は、相変わらず「この人じゃなくても良い」。

しかし、一番役者なんは、宮沢りえの息子役の子。