[コメント] ゆれる(2006/日)
香川照之無双。真木よう子を送って実家に戻ってきたオダギリジョーとの会話シーンでの静かなる不穏さ。面会室や法廷での底なしに掴み所の無い豹変ぶり。転落死のミステリーに香川の存在感が相乗して、思いっきりサスペンス状態に放り込まれる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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田舎のムラ社会の息苦しさや、兄弟という特殊な関係が生じしめるコンプレックスなどが痛々しいタッチで描出される。香川とオダギリだけでなく、蟹江敬三と伊武雅刀の兄弟関係の複雑さが重ね合わされるあたりに巧さを感じる。キム兄の可愛げある嫌らしさも花を添える。
ロケーションとしては、渓谷の吊り橋よりもむしろ、寂寥感漂うガソリンスタンドや伊武が家事を働く洗濯場や裏庭のほうが印象深い。
が、結局のところ、香川のキャラクタが理解不能なモンスターとして読み解かれないままになってしまっている感がするところが落ち着きが悪い。転落死のミステリは答えを明らかにする必要は無いが、彼の人格には答えを与えてあげたほうが作品としての座りはよかったのではないか。
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