[コメント] それでもボクはやってない(2007/日)
コメディ要素を一切排除し、物語は我々の感情に訴えることなく、「判決」に向けて突き進む。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
本作のテーマは実に興味深い。
果たして主人公である青年が「有罪」・「無罪」のどちらに転ぶか。ただ単にそれだけの映画ではない。青年は痴漢行為をしていないのに、留置場に拘束されてかわいそうであるとか、やってないのに裁判にかけられて、ありえないであるとか、そういった印象ももちろん感じたが、周防監督が観客に求めているものはそういった類の、青年への同情ではない。そう、我々も一切の感情を捨て、真正面から現行の裁判制度について真摯に考え直さなくてはいけない時期に来ていると訴えている。
上映時間は本物の裁判よりかはもちろん短いので、全てを見せる事は出来ていないが、裁判の一連の流れを忠実に描いている。まるで本物の裁判を見ているかのように。そして、本作の鑑賞を通して、余りにも裁判について無知だった自分を恥じると共に、「変えなければならない」と切に思った。2009年には裁判員制度が始まるので、現行の裁判制度を見つめなおす良い時期に来ているのではないかと思う。
現行の裁判制度を象徴するかの如く登場する、小日向文世演じる判事が下す判決は果たして「有罪」か「無罪」か。もう既に結果が出ているも同じ事ではないか。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。