[コメント] それでもボクはやってない(2007/日)
普通の人が普通に一日を終えられることがとてもラッキーなんだとリアルに思えた。
もはや裁判を語る映画ではなく社会の暗部をえぐる映画だ。周防監督はいまの日本映画界における名人級の監督だと素直に思えた。それだけの強さが画面から伝わってくる。
全編飽きることなく楽しめるが、その中でも冒頭からの1時間は特によく目を見開いて見るべき。組織が総がかりで個人を虐げる怖さを見事に映像化している。
簡単に冤罪が生まれる危うさを放置している鉄道会社(少なくともこの映画の中では、乗客の年齢性別で車両を分けることをしていないとか、それができないなら安易にこのような冤罪被害者や冤罪加害者を生み出さないような配慮ができていない、駅員の対応に不手際があったなど)や平和ボケした社会システムの姿が映し出されている。
われわれのいる社会は一見、平和に思えても、犯罪者を捏造してしまう人々がいる恐ろしい社会であるとも受け取れた。
2008.02 DVD
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